トランプも真っ青の交渉術。私が「支配」に風穴を開けた日 『帰省サブスク解約戦争シリーズ③』

前編・中編までのあらすじ
一度は屈した2024年GWの帰省。
しかし、その裏で私は、姑・すそこが「認知症」を武器に、いかに巧妙に、そして悪意をもって私たちをコントロールしようとしているかを見抜いていました。一年前の「吊し上げ事件」という裏切りを経て、私はもう言いなりにはならないと、静かに、しかし固く覚悟を決めたのだ。
【第一章:交渉術・みーぬの設計図】
姑とのバトルは、声を荒げずしてじわじわ進む「静かなる戦争」
そして、2024年GWは、その反撃の狼煙を上げた記念すべき第一戦だった。
私が仕掛けたのは、相手の出方も性格も読み切った、あまりにも細かすぎる作戦。 その設計図が、こちらです。
◆作戦1:初手からかます「高め設定」
まずは主導権を握るべく、LINEでこう宣言。
「今回は一泊二日で帰ります」
これまでの“暗黙ルール”からすれば、これって実質「宣戦布告」ですから。
でも、すそこ様からはあっさり「了解です」の返信。
ふふん、そのまま受け取ってくれたのね?では、次いきます。
◆作戦2:「記憶改ざん」の武器を奪う
すそこ様お得意の「忘れたフリ」「前に言った?知らん!」を封じるため、 すべてのやり取りをLINEに一本化。 私は彼女の性格を逆手にとってにこう言ってみた。
「おかあさん、物忘れは誰にでもあります。でも、後から読み返せるようにLINEで記録しておけば、おかあさんも安心でしょ?それに、文章を考えて文字を打つことは、脳の活性化になって、今の状態にとても良いことなんですよ😉」
はい、成功♡
本音は「長電話とかで私たちの時間を奪わないでくれ」が8割なんですけどね😉
◆作戦3:「準備が大変だった」への先制カウンター
どうせ「こっちも準備があるんやから!」とか言ってくるのは予想済み。
なので、先にこう伝えちゃいます。
「ホテルに泊まるんで、私たちのことは何も用意しなくて大丈夫です」
→これで“善意を盾にした圧”を封じ込めじゃーーーー。
◆作戦4:「勝たせてから、勝ち取る」
今回のメインディッシュ。
すそこ様が1泊2日の約束を反故にしてくるのは“織り込み済み”です。
そう、あえて言い値は低めにして、 「勝った!」と油断させる。それがこちらの狙いです。
だから最初から、ホテルは二泊三日であえて確保しておいて、どうとでも対応できるようにしておきました。
ちなみに翌日からは大阪に遊びに行く予定を組んでいたので、大阪に宿泊するよりもこっちで泊まっておけば宿泊費もお得だしね。
【第二章:下準備〜旦那ちゃんの意識改革〜】
この作戦をやるには、共に戦うパートナーの協力が必須。
私は帰省までの間、旦那ちゃんをじわじわネチネチ追い詰めました。
「あなたの親には残された時間はないんだよ?
私がいろいろ言っても、あの人たちは『嫁の好きなようにされる!』って聞かないでしょ?
まことくんが言うしかないんだよ?!
わからないって開き直ってる場合じゃない!
まずは私が用意した、この漫画でわかる本を読んで!
分からないから何も言えないんでしょ? 知識があなたの武器になるんだから!!」
義実家はみんながみんな危機感がない。でも、それは旦那ちゃんにもいえること。
とりあえず、彼にはこれから待ち受ける現実の地獄を思い知らせて、義実家が現実から目をそらしていることをこれから言い続けて貰わないといけない。
そう。いまの私たちは義実家から嫌われることを恐れていません。むしろ、嫌われ役、上等!
それに、あの人たちは“かわいい息子”から現実突きつけられた方が ダメージ大きい。
今までは自分たちに逆らうこともなかったし、いいなりになってくれるやさしいわが子だったからね。
かわいい息子から、聞きたくない正論を言われ続ければ、「もう帰ってくるな!」となるかもしれない。それすらも、こちらの作戦のうちなのだ。 そ、一挙両得。
【第三章:戦場にて〜一枚岩の崩壊〜】
そして迎えた本番。 義実家という名の“地雷原”に踏み込んだ私が目にしたのは、 「鎌村家」という名の一枚岩に、明らかなヒビが入り始めている様子でした。
実は、この数ヶ月前の正月。旦那ちゃんが初めてカツオに牙をむいてたんだよね。「今のまんまの兄貴じゃだめだぞ」と。壮絶な兄弟げんかの末、いつもは兄の肩をもつすそこ様が、珍しく弟の味方をしたことで、カツオは知恵熱を出してたから。 そのことを引きずっていたのかはわからないけど、結果、カツオは今回のGWでは私たちから逃げ回っていた。
・・・はい、彼はこどもなんです。
敵は、もはや一枚岩ではない。
私と旦那ちゃんは、まずかねてからの懸案であったウニ男の免許返納と施設入所を、集中砲火で迫り続けます。もちろんすそこ様にも。でも本丸はウニ男。
でも、だんなちゃんはやっぱり本人を前にすると言いづらいのか、なんか弱い。
わたしは、ウニ男には心底呆れているので、ここぞとばかりに、ウニ男に向けて「免許返納と施設入所」についてガチ詰め開始。
ウニ男はその場では逆切れしながらも、陰ではすそこ様に「わしはどうしたらええんじゃ〜」って泣きついてたらしい。
泣きつかれても知らんがな。 その口で「施設に入る」って言えば全部解決やろ。
ていうか、気づいて欲しいんですけど、これは全てあなたの為なのよ? これは、このまんまだと地獄になるところからあなたを救い出す唯一の方法。特にあなたみたいなタイプは施設でみんなから優しくチヤホヤされるのが1番の幸せな晩年なんです。
さすがにすぐには決まらなかったけど、確実に“あの家の牙城”は揺らいできてる、と私は確信。
【第四章:最終決戦、そして勝利のディール】
予想通り、仕掛けてきたのは二日目の夜。
すそこ様、さも当然のように「明日は何するん?」とジャブを打ってきた。
きた。 旦那ちゃんと私は顔を見合わせる。 ここでビビったら終わりだ。 私は少しだけ残念そうな顔をして、静かに答えた。
「明日はお昼過ぎには出る予定なんです。新幹線の時間があるので」
(ほんとは今日で退散予定だったけど、それは言わない)
すそこ様、まさかの「明日もいてくれる!」と思ってしまったのか、 顔がパァ〜っと明るくなる。 その一瞬の油断、逃しません。 いつもなら「なんでなん?! こんなに早く帰ることは今まではなかった! おかあさんは明日もあんたらがおるもんやと思っていたから、明日は○○をしようと思っていたのに!!! こんなに早く帰るなんて聞いてない!!」と発狂モードなのに、今回はなぜか一言も文句なし。
こうして、我々は“勝ったフリをさせておいて、実質短縮を勝ち取る”という 完全勝利のディールを成功させたのです。
【エピローグ:半日という名の、偉大な一歩】
たかが半日?
いやいや。 あの家の“4泊5日帰省が当たり前”という既成事実に、 初めて風穴を開けた歴史的な一歩なんです。
2泊3日を先に出すと、すそこ様の性質上 「今日も明日も泊まっていけばいいじゃろ」「今までは何日までおってくれたじゃろ」と付け足してくるのが目に見えている。 だからこそ、こちらから「一泊二日です」とあえて低く提示することで、 「譲歩した」と思わせる。 そうして本来の落とし所である2泊3日を、波風立てずに確保する──これが本丸。
この“半日勝利”があったことは地味に今度に効いている。そして、その夏の「お盆」は「GWに帰ったから」の一言で、帰省回避に成功。もちろん、今後もお盆には帰らない事にも繋がっています!
目に見えない「家族圧サブスク」も、 こうして一つひとつ、自分たちの手で「解約」していけるんです。
“言葉にならない違和感”とか、“説明できない疲れ”を感じてる人に言いたい――――
小さな一歩は、確実に、未来を変える突破口になるってことを。
あとがき

ていうか、これって結局、GW連休を取り合いしてるだけよね?
すそこ様による手段を選ばない強奪ぶり。
はっきりいって・・・くだらなすぎるぜっ
三部作『帰省サブスク解約戦争』はこちらよりどうぞ。

