【番外編】「ない!」の捜索時間を消す——実父と義実家、2周分で実際に使った便利グッズたち

みーぬ

※本記事にはアフィリエイト広告(商品プロモーション)を含みます。

今回は番外編。
いつもの観察記録はひとまずお休みして、ここで私を今まで助けてくれた便利グッズのお話を。

第11話(→こちら)で、三者連続着信の緊急案件として登場した「キーファインダー」。あれを読んで「それ何?」と思った方がいるかもしれないので、実父の介護と、現在進行形の義実家案件——2周分の実戦で、実際に使ってきた本と道具をこの機会にまとめて紹介しますね。

ここで紹介するのは、実際に買って、実際に使ったものだけ
効果のほども、盛らずに書きます。 意外とバカにできないんですよ、こういうものって。
え? こんなことでこんなに自分が楽になるの? っていう代物たち。

全部が全部自分が背負うことなんてないし、人や物・サービスに頼ってなんぼ。
おむつをつけて、とはなかなか言えないし、本人もイエスとは言わないことをする訳でもないんで、簡単に取り入れられることが最大のメリットかな、って思う。

そしてもうひとつ、大事な前提を。これから紹介する道具は、「本人のため」というより——家族側の労力を消すためのもの。「鍵ない!」「財布ない!」で探す時間が消える。こちらのイライラが減る。すると、自分に余裕が生まれて、ふと我に帰って本人にもやさしく接することができる。

本人に怒っちゃいけない。それは知識としてわかってるんだよね。でも、ついつい無意識に怒ってしまうことがある。こっちも人間なんでね😓 だから、怒らずに済む環境を道具で作る。介護グッズの本当の効能は、そこだと思ってます。


①一冊の本——道具より先に、わたしを助けたもの

道具の前に、まず本の話を。順番として、これが最初かなーって思うので。

家族って、ある日突然、なんの知識もないまま認知症と向き合うことになるんだよね。
あるのはドラマや映画のなんとなくのイメージだけ。「大変そう」「徘徊するやつでしょ?」——その程度の解像度で、いきなり当事者になっちゃいます。
マジで、ある日 突然に、です。

父のときのわたしが、まさにそれ。知識ゼロ。今なら生成AIに相談もできるけれど、当時はそんなものはなくて、自分で必死に情報を集めるしかない。で、本屋に行けば認知症の本は山ほどあるのに、どれがいいのかもわからない。

あの時期、何が一番しんどかったかといえば——わからないこと、知らないこと
目の前で起きていることの正体がわからないから、不安で、辛い。
どうしたらいいかとりあえずわからない。あと、とりあえず現実逃避して、元に戻るかも?そんなありえないことを本当に考えたりしちゃう。

お願いだから、元に戻って! いや、戻るんじゃないか

そんな淡い期待をどうしても抱いてしまって、対応に遅れをとってしまう。
治らないのにね 病気っていっても進行する病気。目に見えるような認知症の典型的な症状が出ているMCIを過ぎてしまっていたら、もう回復することなんてできないからね。
だからまず知識を身につける。その知識で、見たくない未来を知る。そして、受け入れる。
ここまでが、なんせ心理的に一番しんどい区間なんだけど。逆に言うと、受け入れてしまいさえすれば、あとはずいぶん楽になるんだけどね

その絶望区間で、わたしを救ってくれたのが、こちらの一冊。

『マンガでわかる 認知症の9大法則と1原則』杉山孝博(法研)

とにかく、わかりやすいです、これ。
マンガだから、疲れ切った頭にも入ってくる。そしてその上で、「なんでこんなことすんの?」という家族の疑問が、とにかく腑に落ちる
財布を隠すのも、同じ話を繰り返すのも、症状としての法則がある。なんで私にだけ症状がでる?などいろいろな法則がわかると、行動の意味がわかる。意味がわかると、受け止め方が変わる。

この先生の書いた本はどれもわかりやすいんだけど、最初の一冊として読み始めるなら、これがいいかなと。
本を読むのが苦手という人でも何とか最後まで読み進められるかと思います。


②キーファインダー——「ない!」の捜索時間を消す

ここからは道具です。まずは何より、これ。

鍵や財布に小さなタグを付けておいて、なくしたらリモコンのボタンを押す。すると家中のどこかから「ピピピピー」と鳴って、居場所を教えてくれる道具です。タグは6個付きなので、鍵・財布・保険証入れ・カバン——なくなる常連たちを、まとめてカバーできます。

同じようなものを、キーファインダーで検索したらいろいろと出てくるので、お好きなものを。
私は、数が多いものがおすすめかな。あれにもつけたい! あれも!これもってなるので(;’∀’)

父のときに何がしんどかったって、「財布がない!」から始まる時間だったんだよね。
しかもセットでこう来る。「お父さんは何もしてない。おまえがやったんだろう?」——いわゆる物盗られ妄想です(さっきの本を読むと、これが起きる仕組みも腑に落ちます)。

疑われるのも堪えるんだけど、実務的に一番の敵はなんといっても捜索時間
病院の予約に合わせてこっちは動いてるのに、財布が見つからないから出発できない。この労力が、とにかく無駄。介護って、こういう「進まない時間」の積み重ねで消耗する気がする。それがボタン一発の「ピピピピー」で終わるんだから。もう革命。
充電ではなく、ボタン電池なところも使い勝手がいいかな、と。使用頻度にもよるかもだけれど、私は電池交換をした記憶があまりないのでだいぶ持ちはいいかと思う。

義実家にも導入済みです。姑すそこ様が「あれがない、これがない」と言うことが増えたと聞いた2、3年前に送ったところ、大活躍で、相当のお気に入りに。……お気に入りすぎて、それが手元からなくなったことで、義家族は大パニックになりましたから(~_~;)(→第11話)
依存しすぎだけどね(-_-;)

導入のコツ:スマホアプリ連携型(AirTag系)ではなく、この手のボタン式リモコン型を。スマホ操作ができない前提で選ぶのが正解。
結局、外で落とすということは殆どまれで、大抵は家の中で行方知れずになるからです。
家の中の奥の奥の奥のほーうにしまいこんでいるものを探し出すお役目にはぴったりの一品。
あと、電池交換は家族側のタスクにすること。本人に任せると——本編のとおり、電池交換に出かけて本体をなくします。


③日めくりカレンダー時計——「今日は何日?」に答え続けてくれる

認知症の見当識障害で、今日が何月何日で何曜日か、がわからなくなります。時計は読めても、「今日」がわからない。カレンダーがかかっていても、今日がわからないから意味がない。

すると何が起きるか。「今日は何日だったかなぁ?」を、死ぬほど聞かれます。答えます。1分後、また聞かれます。答えます。また聞かれます。これが延々と続く。

父のとき、わたしは4回までは答えてました。5回目からは「あそこにカレンダーがあるよ」で答えるのをやめました。冷たいからじゃなくて、もう言いたくなかったんです。次に口を開いたら、怒っちゃいそうで😓

ただ、これも本人側から見ると理由があって。ミスをしたくないから、確認せずにいられないだよね(このへんの仕組みも、①の本を読むと腑に落ちます)。
本人は確認したい。家族は同じ答えをもう答えたくない。この両方を同時に満たしてくれるのが、日付をドンと大きく表示してくれる電波時計です。「答える係」を、時計が24時間無給でやってくれる。
しかも情報過多のカレンダーと違って、シンプルに自動的に自分でカレンダーをめくらなくても自動で変わって表示してくれる。曜日も大事! 地味に温度も大事!

ADESSO 日めくり電波時計 (日付・曜日・温度・湿度)



ADESSO 日めくり電波時計 HM-301(メガ曜日表示)

うちは両方使ってます。HM-301(現行モデルはHM-704)は曜日が画面の半分を占めるレベルでドン!と出るので、「今日は何曜日?」に強い。
先に紹介したモデルは温度と湿度も出るので、「暑いのに本人が気づかない」問題の見える化に使える優れもの。
年配の方ってよくもったいないからエアコンを使わないと思われがちだけど、体温調節のセンサーが鈍ってくるのか暑さが分からない。きづかない人が多い。
うちの父親も、真夏にめちゃくちゃ厚着をしていたり、冷房をつけようとして暖房をつけたりしていてわちゃわちゃでした。

ちなみに本人たちにしてみればシンプルな方がいいかもです。
表示が大きくて見やすいからか、義実家では本人たちもかなりお気に入りのご様子。曜日が大きいのがかなりいいらしい。
認知症でなくても、年配の家族がいる方にはおすすめ。電波時計なので日付合わせの操作も不要だし。
置き掛け兼用なところも地味に使い勝手がいいです。

温度表示について補足を。年を取ると、暑さが本当にわからなくなります。熱いお風呂が平気なのと同じで、体感のセンサーが鈍っていく。だから「暑かったらエアコン入れてね」は通じません。体感じゃなくて数字で見えるようにしておくことが、地味に大切かな、と。これは介護の実感だけじゃなく、わたしが医療事務で働いていた頃、ドクターから直接聞いていた話でもあります(この温度問題、⑤のスマートリモコンで回収します)。

1台選ぶならどっちか、と聞かれそうだけど、わたしの結論は「両方」。曜日特化と温湿度付き、役割が違うからね。


④見守りカメラ——「元気かどうか」を電話以外で知る手段

いわゆるペットカメラ・ベビーモニターとして売られているタイプです。
父が認知症で一人暮らしだった頃、わたしを一番消耗させたのは「連絡がつかない時間」。
電話に出ない… 何かあったのか、寝てるだけなのか、わからない。かといって、そのたびに見に行くのはしんどいし、すぐに行けないことも多い。大抵は見にいったところで元気でいることがほとんどなので、はぁぁ… 来るんじゃなかったと思ったり、行かなければ行かないで精神的にしんどいし、行ったら行ったでそれもしんどい。

こっちが欲しいのは、状況がわかること、それだけなんだよね。
カメラを置いてからは、スマホで好きな時に様子を確認できて、こちらから声で呼びかけることもできて、録画を遡って「さっきリビング通ったな、寝てるだけだな」と確認もできる。「わからない」が消えるだけで、こっちの体力の減りが全然違うことに本当にびっくりだった。

今は、もうちょっとお値段がするかもしれないけれど、私が購入したのは5000円もしなかったかな。
機能的には十分すぎるほど十分で、普通に自分の自宅においておいてもいいんじゃないか?と思う位。旅行とかで家を暫く空けるときとかにも安心かなって思ったので。だんなちゃんに聞いたら「そのためだけにいらないでしょ」と言われたけども…

設置のポイントは、リビングなど生活動線の一箇所だけにすること(本音は全部屋に置きたい位だけど、さすがにね。尊厳もあるので)、「監視」ではなく「防犯と安否確認のため」としてちゃんと説明すること、コンセントを抜かれない位置に置くこと、かなって思います。

※私が購入したものは既に販売終了していたので、現行モデルのリンクを貼ろうかと思ったんですが、お手頃価格のものがありませんでした。そのため、リンクカードはつけていません。

実家にネット環境がない場合:SIM挿しルーターという手

で、カメラ導入の最初の壁がこれ。実家にWi-Fiがない問題。うちの実家もそうでした(わたしが実家を出たときに解約して工事もしちゃってたので)。

そこで使ったのが、SIMカードを挿すだけで家のWi-Fiになる、据え置き型ルーター。

NEC Aterm HT100LN(据え置き型LTEルーター・nanoSIM)

回線工事が不要で、コンセントに挿してSIMを入れれば終わり。用途がほぼカメラ専用だったので、格安SIMの一番安いプランで十分まかなえました。月々の負担は最小限で、「見に行かなくても様子がわかる」環境が作れちゃう。
工事の立ち会いに帰省する必要もなし。


⑤スマートリモコン——遠方からエアコンと電気を操作する

Nature Remo(スマートリモコン)

これはわたし自身が現在も日常使いしている超便利アイテムでもあるんですが、介護では本領を発揮します。だって、遠方にいてもエアコンを入れられるんだもん。

父の状態が進んでいた頃、真夏なのに暖房を入れてしまう、ということが起きていました。③で書いたとおり、本人は暑さに気づかない。これ、命に関わりますから。スマートリモコンなら部屋の温度・湿度がスマホでわかるので、(見守りカメラで電波カレンダーにある温度をチェックすることもできるし)「真夏に暖房」を検知したら、こちらから冷房に切り替える。それができるようになりました。

使い道はエアコンだけじゃなくて。当時の父は昼夜逆転の生活になっていたので、夜になったら電気を消す、朝になったら電気をつける。あと、父の好きなテレビ番組が始まる時間にテレビをつけてあげる、なんてこともしてました。生活リズムの外付けサポートです。

※赤外線リモコンで動く家電(エアコン・テレビ・照明)はリモコンの登録さえしちゃえばほぼ対応可能。
導入には前述のネット環境が前提になるので、ない場合は④も必須!


⑥お薬カレンダー——管理しやすく、飲み忘れや飲みすぎなどを防止!

ドラッグストアにも売られてたりしているお薬管理をわかりやすく、一目で飲み忘れなどがわかる優れもの。
薬って、もちろん飲み忘れてはいけない命に係わる重要なお薬もあるけど、大抵は飲みすぎの方が心配される。副作用や意識障害とかになる恐れもあるし、転倒もこわいしね。それで大腿骨骨折なんてことになったら寝たきり人生決まりなんで。
これがあれば一目瞭然だけど、そのうち飲み忘れたことを隠そうして抜いて捨てたり溜めたり・・・そんなこともありえますけど(^-^;

おわりに——道具は、家族の代わりはしない。けど

これらは、私が実際に実家の父親に対して困り果てていた時に見つけて使っていたものだけど、マジで救われてました。

義実家に対しては、必要性はまだ感じてはいなかったものの(当時は「認知症じゃ!心配せぇ!」と圧力はかけられてたけど、実際には症状はなく、たまにある物忘れ位)、とりあえず導入しときました。

  • ①カツオくんに「読んでおいた方がいいよ」と渡したものの、リビングの机に放置され続けたので、黙って回収しました
  • ②③⑥は相当のお気に入りで、最初から大絶賛。どこで売ってるんやー!!!!という電話攻撃には遭います
  • ④は、火事が心配だから設置したものの、いつの間にかしれっとなくなっていました
    (使わないなら返して)
  • ⑤は、「必要ない」といわれて、義実家の物置にしまわれたままです
    (だったら返してくれません?(-_-;))
みーぬ
みーぬ

あとで、後悔すんなよ。
まだ必要ない、ってよく言えたもんだわ
今だからこそ、必要なことがわかってない・・・

で、ひとつだけ、どうしても書いておきたいことが。

姑すそこ様からは、こう無邪気に聞かれたんだよね。

姑すそこ
姑すそこ

みーぬちゃんはこういうのを探すのがうまいんやなぁ。なんでなん?どこでこういうのを見つけたん? 教えて

聞かれたから答えました。今更?と思いながらも。

みーぬ
みーぬ

……お父さんの介護の時にいろいろ困って調べたんで…

そうしたら、言ったとたんに話をすり替えられて、わたしが介護してた話は消えてなくなりました。

これ、地味にけっこう衝撃で。

聞いてきたのは向こうなのに。しかも「教えて」って。
でも欲しかったのは道具の名前だけで、それがどこから来たのかには、興味もなければ聞かないってことなので。

この記事で紹介してきた道具って、ぜんぶ1周目の——父の介護の産物なんだよね。あの時期に困って、調べて、買って、使って、救われたもの。その来歴ごと、なかったことになった、というだけの話なんですけども。

まぁ、わたしの苦労を認めることは決してない人なので、いくら理解してもらおうとしてもそれは無理な話で、言っても無駄。分かってもらおうと期待しないこと。それが一番だと思ってます(このへんの経緯は、こちらの回に書いてます。)。

そこまでしてあげる必要はない、とは思いながらも、これも全て自分の為。自分を守るためだから、とりあえずお金で解決できることはしときゃいいかな、と(;’∀’)

だって、姑が「うちの嫁はわたしたちのことを何も考えてない! 何もしてくれない!」って、この環境をみたら言えないでしょ?


——地味にも思えるこれらの積み重ねが、こちらの余裕を守ってくれます。

余裕があれば、怒らずに済む。
怒らずに済めば、あとで自分を責めなくて済む。

介護グッズって、結局そのためのものだと思います。病気が治るわけではないけど、ちょっとした便利グッズがあればとにかく自分の負担が減る。余裕がなくなりがちな介護だけど、いかに楽をするかの知恵は自分を救ってくれる。

気分転換も大事! 気分転換してまた頑張れるのだから。
なにもかも一人で自分でやろうなんて土台無理な話。
いかに手を抜きつつ、大事なことを守れるか、だと思うから。

手をかければ手をかけるほどいいとか、すそこ様とか言いがちなことではあるけど、結果がよければそれでいいじゃん。

そんなわけで、とりあえずの便利グッズ紹介でした〜。

ABOUT ME
みーぬ
みーぬ
観察系記録ライター
義母との複雑な関係をきっかけに、 “家庭”という名の舞台に仕込まれた違和感を見逃さず、 観察・分析・記録を始めました。 このブログでは、 心を守るための言葉を綴っています。 最初は、誰にも言えない気持ちの吐き出し。 でも、記録しながら自分の感覚を取り戻し、 今は“自分で自分を守れる言葉”を紡いでいます。 私にとって「書くこと」は、 日々のズレや不安から自分を切り離す、小さなサバイバル術です

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