【第3章:後編】[実録]葬儀を壊す義母の「メンツ」への対処法。喪主として父の尊厳を守り抜いた記録。
義母の「メンツ」に振り回されそうになった父の葬儀で、喪主として感情を持っていかれずに対応した実体験をまとめました。
👉「この出来事の背景にある“静かな覚醒”はこちらから読めます。↓

正直、父が亡くなった直後って、悲しんでる暇なんてないんだよね。
とにかくバタバタ。
葬儀社との打ち合わせ、日程調整、檀家のお寺との打ち合わせ、親戚への連絡、役所関係、来客対応、おうちの片づけ・準備などなど・・・
決めることだらけ、やることだらけ。
頭の中は感情じゃなくて、ほぼ事務作業モードで、「今なに決める?」「次なに動く?」「あれはどうする?」の連続。

マジでお風呂に入っといてよかった・・・
息子不在でも“嫁に直接ぶつけてくる構造”
そんな中で、姑すそこ様からの着信。
父が亡くなったこと自体は、先に旦那ちゃんから伝えてもらっていたと思うんだけど、たぶん、あっち側の家族で相談したんだろうね。
その“相談の結果”として、電話はなぜか私のところにかかってくるんだからなぁ……。ハァ…
しかも、この時、たまたま旦那ちゃんは買い物に出ていて家にいなかったんだよね。
狙ったわけじゃないにしても、「当事者の嫁に直接ぶつける」この選択自体が、もうアウトなのよ(-_-;)
こっちは今、父の葬儀を成立させることで頭がいっぱい。
なに、電話してきてんのよ。この人は。マジで。
正直な心境はこれ。

お願いだから、邪魔しないでくれる?
わたしの心をかき乱さないでくれます?
悲しいとか怒りとか以前に、“作業の邪魔をされる不快感”が一番近かったかな
そしてここから、すそこ様の「鎌村家のメンツ号」が暴走しまくります。
何より大事な鎌村家の「立場」「メンツ」をのせて。
電話に出た瞬間から、空気がおかしかったです。ハイ。
妙な焦りを感じたからね。 で、出てきた最初のセリフがこれ。

「おとうさんとおかあさんは今からそっちに行くから!!!」
「息子の立場」「鎌村家のメンツ」という呪文
いきなりこれ。
前置きも、お悔やみも、労いもない。
第一声が、“宣言”って・・・。気絶しそうになる。

「え? あの……来なくて大丈夫です。
お気持ちはありがたいんですけど・・・
コロナ禍ですし、身内だけの家族葬にするって決めてるので・・・」
そう伝えると、間髪入れずに返ってきたセリフがこちら。

まことの立場があるから、そういう訳にはいかんのよ。
そうはいうたかて、鎌村の家から誰もいかないなんて、あの子の面目がつぶれるんよ。
鎌村家として恰好がつかないんよ!
……いや、ここ、うちの父の葬儀なんだけど。
正直その時の私の頭の中は、「誰の葬式? 何の立場? 今それ言う?」って感じで一瞬フリーズ。

「本当に、来なくて大丈夫です。
お父さんの兄弟とわたしたち娘だけでやってほしい、っていうのは、お父さんの望んでいたことでもあるんで。
できれば、私もおとうさんの意志を尊重したいんで。
そうさせてもらえませんか?

それに、、、 うちの親戚には、メンツとかそういうことを気にする人間はいないんで…。 誰も気にするような人柄じゃないんで…。

そんなのは信じられる人かどうか分からんじゃろ
とにかく、行くから。
まことの立場があるから、私らが行かない訳にはいかんのよ。
と、謎の不信感MAXで理不尽な理屈をこねてくる。
人の親戚に対してこの言い草もひどくねぇか?と私も内心かちん。
いや、信じるも信じないも、こっちが“喪主”なんだけど。マジで失礼なんだけど。

いや、本当に来なくていいですから。
家族葬で、ちっちゃくやるだけなんで。
お母さんたちがこっちに来るとなると、感染リスクもありますし、それに今は県をまたぐ移動は自粛しなきゃいけない時期ですから…。

わたしらが行かんかったら、あの子の立つ瀬がないんよ。
なんで、鎌村の人が誰もおらんのじゃ、ってなるんじゃから。
みーぬちゃんは分からんかもしれんけど、世間ってそういうもんなんよ
(話が通じる世界線じゃないな)って思いながらも、話は堂々巡りするばかり。
おじさんにも電話を代わってもらって説明してもらったけど、結果は同じ。
「行くから」一点張り。このやりとり、何ターンしたかわからない。
来る理由は、父のことじゃない。
ずっと一貫しているのは、「息子の立場」「鎌村家のメンツ」
この二語だけなのもすごい。
ちなみにこの時点でも、お悔やみの言葉は一切なし。
そして、父が亡くなった数時間後のやりとりだからね、これ。
もう常識の範疇を超えまくて・・・ もはや怖いのよ。
私は、もう、いかに お父さんのお葬式をこの人たち抜きでやるか お葬式を台無しにされたくない!もうそのことに全力集中。
お父さんという人柄を知る訳でもない人たちが、出しゃばってくるところじゃないから!
感情としては、ただひたすら、「この人、今この状況でも“自分の体裁”の話しかしないんだな」と、答え合わせをしてただけというか。
ここまで来ると、私はもう感情は動かないよね。
その後、私も一向に折れないし、外出自粛・県を跨ぐ移動は自粛という情勢の背景もようやく思い出して自覚したのか、さすがに突撃訪問は無理かもと諦めてくれたよう。
けれども、ほっと胸をおろすのも一瞬。話は香典の話にすり替わる。

「じゃあ、とにかく香典を送るから」

香典も全てお断りしてるんで・・・。
家族葬なので、受け取れないです

それじゃあ、鎌村家のメンツが立たんじゃろ!
……はい出ました、今日何回目か分からない“メンツ”。
ここで、私の脳がひらめく カッ

じゃあ……
お花代としていただく、という形ならどうでしょうか?
こちらが妥協案を出すと、即食いついた。

それがええなぁ~!
名前は“鎌村家一同”にして出して。
それなら、あの子のメンツも立つし、
鎌村家の名前を、絶対に出して」
この瞬間、完全に確信しましたよ、わたし。
この人にとって大事なのは、人のためなんかじゃなく、“名前を出すこと”そのものだけだ、ってことに。
存在証明みたいなものなんだろうか
価値観の問題だから言ってもしょうがないことだけど、自分らの面子を表面だけ取り繕って格好つけたところで何の意味があるんかね? (-_-;)
例えば、自分自身の一親等の葬式だったら、自分のメンツを気にすることはまだ百歩譲って理解できるけど、だーれもそんなことを気にしてない人たちの前でなんの意味があんのかしら・・・
私はもう、「はいはい、ありがとうございます。じゃあそれで終わりにしましょう」という、事務処理モードで通話終了。
正直、悲しいとか腹が立つ以前に、「とにかくこれ以上、現場を荒らさないでほしい」
ただそれだけなんです、はい。
電話を切ったあとは、すぐさま作業へと戻るわたし。
怒りに浸る暇もなければ、考え込んでいる余裕もないのよ! わたしは!!!

誰のメンツも、誰の立場も、持ち込ませない
とにかく邪魔しないで。
こっちはそれどころじゃないんだからーーー
葬儀で流れたのは、メンツじゃなく“本物の愛”
結果的に、葬儀は本当に身内だけで執り行うことができた。 (ほっ)
父の人柄をちゃんと知っていて、父のことが好きだった人たちだけの空間で。
後日、お世話になったケアマネさんにメールで送った内容がこちら。
お世話になります。鎌村です
無事に〇〇の△△斎場にて、×日通夜、×日葬式と執り行う事ができました。
ほんとの家族葬で、ほんとに近い親類だけで送ることができました。
私が喪主で、不慣れで至らない点もあったかと思うけれど、喪主の挨拶のときに、皆様へのお礼ではなく、お父さんへの手紙になってしまったけれど、お父さんへ送った言葉があるので、恥ずかしながらお伝えしますね。
“わたしはよく人から愛情いっぱいの家庭で育ってきたんだろうねぇ と言われます。
それなりに意外と苦労もあるんですよ、と言うと意外がられ、
すぐに信用されません (–;)
そんなふうに、のびのびと愛情いっぱいに厳しさもありながらも育ててくれたお父さんに感謝でいっぱいだし、今 お父さんにかける言葉は、ありがとうしかありません。
わたしは、お父さんから愚痴を聞いたりとか、人の悪口とか、そういう負の言葉を聞いたことがありません。
いつも笑顔で、ムードメーカーで、努力家で、生真面目で、頑固で、でもお人好しすぎる、そんなお父さんが大好きです。
人様に迷惑をかけるな!
と、常に自分のことより他人を想う気遣いの人だったと思います。
わたしは、二人暮しの期間が長くて、お父さんと九州や東北など、いっぱい旅行もしました。
誰よりもお父さんと一緒の時間もあったし、いっぱい会話もしました。
私の部屋にいつも勝手に入ってきては、隣に座りこんで喋り倒していました。
最後は、急いでいってしまったけれど、
この1年はなかなかにお父さんに振り回されてきたけれど、今思うと
人様に迷惑をかけたくない。
お前たちに苦労はかけさせたくない。
というのが口癖でした。
それを実行しちゃうなんて格好よすぎるかな、って思います。
皆さんにとったら、突然の事で驚かれたことと思いますが、お父さんは、最後まで必死に病と戦っていました。
認知症の急激な進行と、ややこしい病気が同時進行でお父さんを最後苦しめたけれど、
闘病生活は約半年という短さでした。
どれだけ症状が悪化していても、いろいろなことができなくなって、分からなくなっても、最後まで、お姉ちゃんとわたしのことは、
わかるよー。〇〇〇だよ。みーぬだよ。って言ってくれてました。
本当にすごい人だったな、と思います。
今まで頑張ってきてくれてありがとう。お疲れ様。ゆっくり休んでね
みーぬより。”
普通に読もうと思っていたのに、1言目から涙声になってしまい、自分でもびっくりだったけれど、ひっくひっく言いながら頑張って伝えました。
わたしは、読むのに必死で、周囲を見渡すことができなかったので分からなかったけれど、みんなの涙を誘ったみたいです。
おっさんまで涙を何度も拭ってたよと後で知りました。
そんなに褒められることも滅多にないので、なんだか誇らしい気持ちと気恥しい気持ちとでくすぐったかったです。
遺影の写真も、みんなからとても評判がよくて、家族葬ということもあり、とても温かくお父さんを送り出すことができたかなぁと思います。
棺の中をお花いっぱいにすることもできて、蓋が閉まるのかしら?とちょっと心配したくらいです 笑
ながーい文章になってしまってすみません。。。
最後に、
本当にお世話になりました。
せっかくの〇〇さんとのご縁ができたので、ご迷惑じゃなければ また今後ともよろしくお願いします。
〇〇さんがお父さんの担当のケアマネさんでほんとによかった。
いろいろと頼ってしまって申し訳ないと思いながらも、私がいろいろと至らないながらも、頑張れたのは〇〇さんがいてくれたからだと思います。
本当にありがとうございました。
お姉ちゃんが〇〇さんに対して妬いちゃうくらいだったので 笑
本当にお世話になりました。
ありがとうございました!
これから、人生楽しみます。
鎌村みーぬ
ケアマネさんからの返信がこちら。
鎌村みーぬ様
ありがとうございます。
本当に立派に、心に残る忘れられないご葬儀を
してあげられた事、とても良かったです。
みーぬさんがお父さんに送られた
最期の言葉に、とても感動して涙が出てきました。
その通りでしたね。
私もお父さんがいつも笑顔で
「みーぬが、うるさい(笑) みーぬにすぐ怒られちゃうよ(笑)」と
言われていた事が、脳裏に浮かびます。
本当に最高の親子関係だなと思っていました。
お父さんにも十分、伝わっていると思います。
これからは、みーぬさんやお姉さんが、
素敵な人生を送られる事を願って見守ってくださってますよ。
お父さんの担当をさせていただき、学ばせてもらうことが
多々ありました。本当にありがとうございました。
まだまだ不足な点が沢山ありますが、
みーぬさんのありがたいお言葉を励みにもう少し
老体に鞭打って頑張ります。
またいつでもご連絡くださいね。
本当にありがとうございました。
(事業者名)
(ケアマネさんの名前)
ちなみに、この喪主挨拶の内容を、私はすそこ様にもLINEで送ったところ…
はい。
既読スルーでした。
別に自慢したかった訳でも、お褒めの言葉がほしかった訳でもなくて、単にお父さんについて語らいあいたいな、ってそんな思いで送ったものだったんだけどね・・・
「いつもニコニコ笑ってる人だったね」「確かに… お人よしだったよなぁ(苦笑💦)」「愚痴を聞いたことがないあたりから、グッッときて泣いちゃった そうだったよね」などと、みんなとお父さんを思い出して語れたことがちょっと嬉しかったから…。
私とお父さんの関係を知る私の友人とかにも伝えていたけど「みーぬとお父さんはほんと仲がよかったもんね」とみんなお父さんのことを弔いながら熱く語ったりしてくれてたから、そんな風にすそこ様とも語れればいいな、って淡い気持ちを少しでももった私がアホだった。
それにすそこ様がとってつけたように「親が亡くなるんはほんまにつらいよなぁ 死んでしもうたらなぁ」みたいなことを押し付けてくるんで、(いやいやいや、別に寂しくないよ)という意もこめて送ってたんだけど まさか、既読スルーされるとは思いませんでしたわ。。。
それって、私と父親との関係から自分の家庭の本質的な空虚さを感じた、ってことですやん。
プライドの高いすそこ様だからこそ、それを認めることができなかったんかな?
一体、誰と勝負してんだか…
勝ち負けじゃないし。それぞれの愛があるってことでいいんじゃないのかね
そして私は「(??)一同」にした
ちなみに、あれだけ
「“鎌村家一同”にして!」「絶対名前出して!」
とゴリ押ししてきた供花だけど。
実際の名義は――
**「親戚一同」**にしました。
テヘ。
いや、だってね。
葬儀全体のバランスってものがあるじゃない?😜
誰か一家だけを目立たせる場じゃないし、父の送る場であって、“誰かの名前を主張する場”じゃないから。
前後編にわたって、2020年初夏の出来事をお送りしてきましたが、これが何故、覚醒へとつながる布石となっているのかを次回、完結編にて改めてご紹介します。

