【観察記】あったなぁ〜経|“過去に住む家族”の会話劇
鎌村家のリビングには、不思議な儀式が存在する。
それはズバリ名付けて
「あったなぁ〜経」
帰省する度にすそこ様が始める”家族の過去エピソード”の朗読会でもあるんですけどね(-。-;
すそこ様、過去映像スイッチ ON

「私はよう働いてきたなぁ〜。あんたらもようてごしてくれて(手伝うの意)」
家族一同:「あったなぁ〜」

「交番に出前をあんたらがよう持って行ってくれたなぁ〜」
家族一同:「あったなぁ〜」

「ほんまに昔はお客さんも多くて、忙しかったよなぁ〜」
「ほんまにおかあさんはよぅ働いたわ~
家族一同:「あったなぁ〜」

「お父さんもほんまによぅ働いてくれてなぁ。いろいろしてくれて」
家族一同:「あったなぁ〜」

あんたらが子どもの時は、○○へよぅ行ったなぁ〜。あそこは海がきれいじゃから、海水浴へおじちゃんがよう連れてってくれたなぁ〜。あんたらのことをようかわいがってくれたよなぁ
家族一同:「あったなぁ〜」

ここ、“あったなぁ〜経の総本山”ですか?
会話じゃない、儀式だ
この「あったなぁ〜経」には共通するあるルールが存在してて、
- 内容はすべて過去
- 現在や未来は一切出てこない
- 必ず自分たちが主役
- 「私らはようやっとる」&家族仲良い自慢のオチが必ずある
そして、何より恐ろしいのが、“みんなが同じ反応を返す”ところ。
言われた言葉に対して、自分の頭で考えて返してなくて、ほぼパブロフの犬状態なのよ…
条件反射のように「あったなぁ〜」を繰り返してるから。
まるでコール&レスポンスのように。みんながみんな、同じ間で同じセリフ。同じ呼吸。
まるで卒業式でよくあるみんなで言うやつ。
台本もなければリハーサルもしてないのに、これができるってほぼ奇跡やん。
ちなみに、
同じ話すぎて、私は暗記で言えるレベルに覚えちゃいました。もはや私がその台本の原稿書けますわ
過去に住む家族の、現在がない怖さ
私は最初、ほんとに家族仲がいいんだなと思ってて、
だって、こんなに会話(のように見えるもの)が続くんだし。
本人たちも、「うちは話し出したら会話が止まらないんじゃ〜」っていつも自慢してたから。
でも気づいちゃいました。
この方たちは“会話”じゃなくて“回想”なんだな、と。単に過去の栄光と思い出にすがり続けてるだけじゃん、って。
いつもいつも同じ思い出話と自慢になってない自慢ばかりしていて、私が感じていた妙な違和感は、今ここ、が存在しないからなんじゃないかと。
────この家は、今抱えてる問題がいっぱいあって、今、ほんとうに家族みんなで考えて取り組まなきゃいけないはずなんだけどね…
現実や未来の話から逃げて何もしなくて、何とかなるやろ的に家族みんなが思ってる…すそこ様さえいればこの家は大丈夫という変わらない価値観がこびりついているこの異様な違和感。
いつまでも、この状態が、昔のまんまの家族の形で永遠に続くと思ってる感じがほんとこわい。まだまだ自分らには輝く未来がこの先もあるって本気で思ってる。(…あるかもしれんけど)
まぁ・・ そんな背景があった上で、特にここ最近、このあったなぁ~経が多いように思うし、違和感を感じる訳で。
確かにめっちゃ働いて、有能で頑張ってきたのはわかるし、尊敬はしますけど…
ちなみに…… それ、みんなだよ。
あなただけじゃないし、世の中の人 大抵 みんなめちゃくちゃ頑張ってます。
単に自慢して言わないだけです……。
すそこ様はどうやら言葉にしないと伝わらないみたいで。言わないイコール苦労がないと決めつけちゃうんでね(~_~;)
ふいに訪れる沈黙が、一番怖い
そんな過去話が一段落した瞬間に、リビングにふと沈黙が訪れる。
その間(ま)が、また何とも言えない違和感。
私は普通なら耐えられない空気にいつも言葉をついつい挟んじゃうけど、今更この違和感家族を和ますつもりもないので、ここぞとばかりに今は席を立ってひたすら洗い物に集中してその場から逃げる。
背を向けて洗い物をしてる中でも背中側に感じる会話が止まった義家族の不自然さの空気をビンビンに感じながら( ̄▽ ̄;)
うっわー。なんか仲良しのメッキが剥がれちゃってるような…
本当に仲がよければ、無言でも居心地は悪くないはず。
でもここではなんか違う。
「誰か早く次の過去話を出して!」
という焦りの空気がめっちゃ流れてる…
そんなとき、大抵 誰かがゴルフの話題を持ち出して、また会話を続けて盛り上げようと仲のいい家族像を必死に守ろうとする。
そう、この家族は過去の話とゴルフのことしか会話ができないんだよねぇ〜…。
それしかないんかい…(-。-;
過去の話って確かにする。酔ったら同じばっかりするのは、お決まりでめちゃめちゃに楽しい!
でも、酔わずにやるのが鎌村家なんです。
すそこ様のマウント、話にふりかけがち
会話に混ざるのは、いつものセリフ。
そう、マウントと自慢です。
だけど、その自慢の話も実はちょいとピントがずれていて…
例えば、
私が、「横断歩道に人がいれば私はいつもとまるんですけど、この前警察に捕まったんです。私が通り過ぎた瞬間に子どもたちが渡るっていう意思がわかるくらいの微妙なタイミングだったんで、本当に納得がいかなかったんですけど」
って話したら

「俺は横断歩道ではとまらん」
「なんで停まらんとあかんのじゃ。捕まらんし、俺は」
なぜか、自慢。いや、自爆?
(え? ていうか・・・ あなた、トラックドライバーですよね? プロなのに?)
すそこ様は、それを咎めることもなく、続けて口を開いた内容に私はドン引き。

「おかあさんは、一旦停止にとまらなくて、警察に捕まったんじゃけど、それがよう知る警察官だったんじゃ。
あれー、鎌村さんとこの奥さんじゃが、言うて。
それで相手がおかあさんだったから本当はだめじゃけど、まぁ 鎌村さんにはいつもお世話になっとるで、言うて見逃してくれたんよ。これもおかあさんがよぅ働いてきたからやとおもうわ。」
カツオ&ウニ男「さすがは、すそこ(おかん)じゃのぉ〜」で拍手喝采。
すそこ様の得意顔。
・・・わかります? この異常さを。

なんで、競うようにマウント合戦? なぜに全部マウントで締める?
…ていうか、それ、自慢でも何でもないし。
昔話でいつの話か知らんけど、本当かどうかも怪しいけど、よくも得意げにそんな話をできるよね。恥ずかしくないんかい
こんな風な会話になって、結局はすそこ様は警察官まで動かせてすごいだの、よう働いたなぁ〜のループに戻る。
なんなん? これは。(-。-;
こんな非常識なことを『自分は(すそこは)特別』と信じ込んでいるこの家族に、心底ゾッとする・・・
みーぬの観察まとめ
- 鎌村家の会話は“過去の回想会話”を繰り返しているだけ。話が止まらないと言うけれど、実は会話でもなんでもない。
- 止まらない会話は実はキャッチボールではなく、すそこ様の朗読会だった。
- 合いの手は「うんうん」ではなく「あったなぁ〜」(宗教的に。すそこ凄いぞ教)
- すそこ様の目的は「私はすごい」「鎌村家はすごい」着地
過去にしか住めない人は、今を失っていくことに気づいてない。
私が生きていたいのは、「今」「これから」の世界なんですよ(ー ー;)
あと、ずっと前から思ってたんだけど
あなた方が自慢アピールしてることって
全然、自慢になってねーんだよっっ!!
以上です。

